今日から実践できる、セルフリーダーシップを高める5つの方法
セルフリーダーシップを高めるための5つの方法
セルフリーダーシップを高める上で、最も重要な基盤となるのが、「主体的である」という考え方です。これは、スティーブン・R・コヴィー博士の『7つの習慣』の一つ目の習慣であり、すべての成功や成長の出発点ともいえるものです。
「主体的である」とは、自分の人生において責任を持ち、環境や他者の影響に流されるのではなく、自らの選択と行動で未来を切り拓く姿勢を指します。また、過去の出来事や他人からの評価といった自分では変えられないものに囚われるのではなく、自分が変えられることにエネルギーを集中させるという考え方でもあります。
この「主体的である」という習慣を前提とし、それをさらに実践に移すための具体的な方法をご紹介します。
1.目標設定をする
『7つの習慣』の2つ目に、「終わりを思い描くことからはじめる」というものがあります。仕事において目標に向かって動いていくように、人生も「めざすべきゴール」が必要です。ゴールがなければ、それに向かって自分を導いていくことはできません。まずは自分がどんな人生にしたいのか、どんな自分になりたいのかを思い描くことが大切なのです。
ゴールが決まっていれば、そこから逆算して「今何をすればよいか」もおのずと見えてきます。たとえば、「5年後にどんな姿でいたいか?」と問いかけ、自分なりの答えを見つけることが第一歩です。
また、この考え方は1日単位でも応用できます。1日の始まりに、自分の価値観や目標を確認し、方向性を定めることで、その日1日がより有意義なものになります。たとえば、「今日は○○を達成する」「△△な姿勢で取り組む」など、日々の小さな目標を設定することで、迷いが減り、充実感を得られるでしょう。
実践例:
・朝5分間、「今日どんな自分でありたいか」をノートやスマホのメモに書き出す。
・毎朝5分間、今日達成したい目標を3つ書き出す。(「メールの返信を迅速に行う」「積極的に会議で発言する」「健康のために20分間ウォーキングをする」など)
2.時間管理と優先順位
『7つの習慣』には、「最優先事項を優先する」という考え方があります。
日々、多くのタスクや膨大な情報に追われ、気づけば1日が終わってしまう──そんな経験を持つ人も多いのではないでしょうか。しかし、そのままでは「なりたい自分」や「人生のゴール」を達成することは難しいでしょう。
そこで役立つのが、時間管理マトリックスという考え方です。このマトリックスでは、行動を以下の4つの領域に分類します。
第1領域:緊急であり、重要でもあること
(例:ケガや病気の治療、大切な人との約束、期限のある仕事など)
第2領域:緊急ではないけれど、重要なこと
(例:将来について考えること、スキルアップのための勉強、体調管理のための睡眠や運動など)
第3領域:緊急ではあるけれど、重要ではないこと
(例:急に頼まれた雑用、突然の来客対応など)
第4領域:緊急でも重要でもないこと
(例:意味もなくスマホやSNSを見ること、暇つぶしのゲームなど)
「なりたい自分」や「人生のゴール」に向かって進むには、第2領域に時間とエネルギーを注ぐことが欠かせません。第2領域は、目指す未来に直結する活動が含まれる重要な領域です。この領域に時間を注ぐことで、短期的な問題解決に追われる生活から脱し、長期的な成果を手に入れることができます。
一方、多くの人は第1領域や第3領域の緊急なことに追われて疲弊し、結果として第4領域に逃げてしまいがちです。この習慣を変えるために、まずは第4領域を減らすことから始めましょう。たとえば、SNSの使用時間を1日30分に制限したり、無意味なテレビ視聴を減らすことです。そして、第3領域を減らすために、気の乗らない誘いや過剰な頼まれごとには、丁寧に断る勇気を持つことも必要です。
このプロセスの土台となるのが、前述した「主体的である」という考え方です。他人や状況に流されるのではなく、自分が設定したゴールに向けて主体的に行動を選び取ること。それが、充実した日々と目標達成への第一歩となります。
3.すぐにやる&やりきる
目標や優先順位を定めても、行動に移さなければ成果は得られません。行動を先延ばしにしないことで、自分への信頼感が高まり、行動力が増すという好循環が生まれます。ここでは、行動をすぐに始め、最後までやりきるための実践的なヒントをご紹介します。
日常にプチチャレンジを取り入れる
行動に移せない理由のひとつとして、「なんとなく面倒だ」「やる気が起きない」という感情が挙げられます。たとえ「やったほうが良い」と分かっていても、行動に移せないことは少なくありません。これは、行動を起こす鍵となる潜在意識が変化を拒んでいるためです。
潜在意識は、変化に対して防御的な反応を示すことがあります。そのため、大きな目標や難しいタスクに直面すると、「今のままでいい」という現状維持の感情が働き、結果として行動を先延ばしにしてしまうのです。
そこで効果的なのが、「日常にプチチャレンジを取り入れる」という方法です。プチチャレンジとは、普段の生活に少しの変化や新しい行動を加えることで、自分に負担をかけずに潜在意識に働きかけるアプローチです。
たとえば、以下のようなプチチャレンジを試してみてください:
・エレベーターではなく階段を使う
・毎日1行だけ日記を書く
・新しいカフェに入ってみる
・スマホ断食をする
・読んだことのないジャンルの本を読んでみる
このような小さな成功体験を積み重ねることで、変化に慣れ、「やる気が起きない」「面倒だ」という感情を少しずつ乗り越えられるようになります。
ベイビーステップで小さく始める
一方で、行動を先延ばしにするもうひとつの理由に、「何から始めたらいいかわからない」という課題があります。
たとえば、「イベントの企画をする」というタスクは、「開催場所を決める」「集客をする」「アジェンダを決める」などの小さなタスクに分解できます。さらに、「開催場所を決める」というタスクも、「要件を洗い出す」「候補をリサーチする」「候補を評価する」といった形で細分化できます。
同様に、「○○の資格をとる」という目標も、「1日10分テキストを読む」「週に1問過去問を解く」といった小さなステップに落とし込むことで、無理なく取り組むことができます。
このように、大きな目標や課題を小さな実行可能なステップに分解するアプローチを「ベイビーステップ」と言います。行動を小さく始めることで、自然と習慣化しやすくなり、大きな成果へと繋がります。
やりきるためのポイント
やりきるためには、ベイビーステップに分解したタスクを習慣化することが重要です。このとき、結果にこだわりすぎず、まずは行動そのものに集中しましょう。進捗をアプリや手帳に記録することで、モチベーションを維持しやすくなります。
4.リフレクションを取り入れる
セルフリーダーシップを高めるためには、自分を深く知り、行動を改善し続ける力が必要です。そのために欠かせないのが、日々のリフレクションです。これは、自分の行動や経験を振り返り、そこから学びを得て未来の行動に活かすプロセスを指します。
リフレクションを取り入れることで、自分を客観的に捉える力が養われ、感情やストレスを整理する効果も得られます。また、振り返る中で「自分が何を学んだか」「どのように成長しているか」を確認できるため、自己モチベーションが高まり、次の行動への意欲が湧きます。さらに、目標に向かっているかどうかを定期的に見直すことで、行動の軌道修正を行いやすくなり、目標達成の精度が上がります。
具体的には、1日の終わりに5分間だけ、次のような質問を自分に投げかけてみてください:
・今日達成したことは何だったか?
・自分は何を感じ、何に反応したのか?
・そのこと(経験)からどのような洞察・気付きや結論を得ることができたか?
・改善すべき点や、別の選択があったとすれば何か?
・この経験を今後どのように活かせるだろうか?
こうした質問を習慣化することで、自己成長のサイクルを日常に取り入れられるようになります。また、週末や月末に、長期的な目標に対する進捗を振り返る時間を設けることもおすすめです。リフレクションを深めることで、目標達成に向けた行動の優先順位を見直し、より効率的な計画を立てることができます。
【関連記事】リフレクションとは?企業と個人の成長を促す実践的手法
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5.学び続ける
セルフリーダーシップを高めるためには、継続的な学びが不可欠です。『7つの習慣』の第7の習慣である「刃を研ぐ」は、自身の能力やスキルを常に磨き続けることの重要性を説いています。これは、道具である刃を研がなければ切れ味が鈍るように、私たちも自己研鑽を怠れば成長が停滞してしまうことを意味します。
また、心理学者キャロル・S・ドゥエック氏が提唱した「グロースマインドセット」は、人間の基本的な資質は努力によって成長すると信じる考え方です。このマインドセットを持つことで、失敗や困難を成長の機会と捉え、挑戦を続ける姿勢が養われます。
実践例:
・毎日の学習時間を確保する
たとえば、毎日15分間、新しいスキルや知識を得るために読書やオンライン講座を受講する習慣を持つ。
・フィードバックを積極的に受け入れる
他者からの意見や評価を成長の糧とし、自身の改善点を見つける。
・新しい経験に挑戦する
未知の分野や業務に積極的に取り組むことで、視野を広げ、柔軟な思考を養う。
まとめ
リーダーシップの第一歩は、セルフリーダーシップです。そしてセルフリーダーシップを高めるためには、日々の小さな行動の積み重ねが大きな力となります。完璧を目指す必要はなく、一歩ずつ継続することが重要です。まずは、紹介した習慣の中から一つを選び、今日から実践してみましょう。この小さな一歩が、自己成長と目標達成への大きな前進となります。
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