写真分類法ワークショップ|ブランドのパーソナリティ明確化の手法を紹介
組織や事業が理想を追求する際、目指す姿と現在の姿を明確にし、そのギャップを認識することから始める必要があります。共に理想を目指す関係者が多いほど認識齟齬が生じやすく、改めて目指す姿や現在地を認識する必要性は高いといえます。
この記事では、こうした組織や事業が目指す姿や現状の姿について、そのブランドとしての人格を明確にするノウハウ「写真分類法ワークショップ」を紹介します。
テイ・デイ・エスでは、アウター向け、インナー向け、周年、採用などを対象にブランディング支援をしています。
お困りの際は気軽に相談ください。
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ブランドコンセプトについて
テイ・デイ・エスがクライアントのブランドコンセプト(=どのような提供価値を持つ組織が、どのような人格で振る舞い、どのような顧客のどのような課題を解決するのかというブランドのコンセプト)策定を支援する際、多くの場合以下のようなプロセスで進めます。
提供価値規定 |顧客への提供価値の明確化
ブランドペルソナ策定 |理想の顧客像を策定
ブランドパーソナリティの明確化 |ブランドの人格を明確化
ブランドコンセプトの策定 |ブランドの「らしさ」「ありたい姿」の定義
上記ブランドコンセプトの策定までのプロセスに、ブランドパーソナリティの明確化が含まれていて、その手法として実施するのが「写真分類法ワークショップ」です。
写真分類法ワークショップの概要
写真分類法ワークショップでは「動物」「花」「椅子」などの多種多様で網羅性のある写真を利用することが多いです。
組織や事業のブランドとしての人格を言語化する際、「ブランドを表す言葉とは?」「なぜその言葉を選んだか?」「どう周りに伝わるか?」といった問いに即座に答えるには一定の難しさがあります。
そこで言語化の足掛かりとして、多様な写真からイメージに近しいものを「視覚的に選ぶ」という難易度の低いアクションを挟むことで、イメージを共有しやすくし、議論の活性化を図ります。
STEP1.写真の選定
ワークショップ参加者は事前に用意された写真を、以下のフレームにプロットします。フレームは縦列に左から3つに分類(相応しくない姿、現状の姿、理想の姿)されていて、参加者間で議論をして、基準に最もあてはまる写真を選定しフレームにプロットします。
・自社らしさに相応しくない(なりたくない姿)
・自社らしさに近い(現状の姿)
・自社らしさに近い(理想の姿)
STEP3.連想される「形容詞」の導出
フレームの最下層には、それぞれの縦軸で総括して表現できる「形容詞」を抽出します。その際、以下の図のような形容詞リストから選定するとより選びやすくなります。
さらに「未来へ引き継いで行くキーワード」「引き継ぐべきでないキーワード」などのディスカッションを行い、形容詞の色分け等をすることで、現状の姿と未来の姿について共有理解を深めていきます。
写真分類法ワークショップのメリット
写真分類法ワークショップには、成果物としてのブランドパーソナリティを決定できることはもちろん、ワークショップの工程を通して参加者が得るメリットがあります。
インナーブランディング効果
意見を述べ、議論し、共通認識を作る工程で、理想と現状のギャップや組織・事業がブランドとして今後どのように変わるべきかを紐解き、深く理解する時間こそがインナーブランディングにおける浸透そのものになります。
視点・視座のアップデートと共通認識の醸成
他の参加者の意見や考え方を知り議論を交わすことで、組織や事業に対する各自の視点は、新たな広がりや深みを得てアップデートされます。また、参加メンバー各自の意見を複合的に取りまとめることで、視座を高めた共通認識を得ることができます。
オーナーシップの向上
組織・事業のブランドとしての現状や目指す姿、避けるべき姿を明らかにするプロセスに参加することで、自身が理想に向けて現状を変えていく当事者であるという意識が芽生え、今後の変化を促す牽引者としての意識やモチベーションを向上させる機会になります。
ブランドパーソナリティの体系化
ブランドパーソナリティのアウトプットは必ずしも言語化だけではなく、組織・事業におけるブランドの課題によっては体系化も行います。
STEP1.バーバルイメージスケールにプロット
選出されたキーワードを日本カラーデザイン研究所が発行している、「バーバルイメージスケール」に当てはめ、それぞれのキーワードが相関的にどのような印象を持つ言葉なのか、ポジショニングを理解します。
出典:日本カラーデザイン研究所
STEP2.体系化
言語化されたパーソナリティは必ずしも一つではなく、多くの場合、複数の形容詞で定義されています。(人間もやさしい「だけ」の性格の方はあまりいないですよね)この複数の形容詞がその企業にとってどのような体系になっているのかを図解で表していきます。
体系化は、明確になったパーソナリティをより理解しやすく図解したものなので、社内啓蒙ツールへの掲載やロゴをはじめとしたVIの構築、メッセージ策定、ブランドブック、会社案内、Webサイト、採用ツール、映像などのトーン&マナーとして使用するなど、インナーブランディングやアウターブランディングの幅広い用途に活用できます。
下記は弊社が過去に体系化を行なった一例です。
最後に
テイ・デイ・エスでは、共創型ワークショップを推奨しています。こうしたワークショップの成果物は、可視化されたブランドパーソナリティだけではありません。その過程で得られる参加者の気付きや理解、そして組織・事業におけるブランドのパーソナリティを自分たちで作り上げる工程、醸成される当事者意識にこそ大きな価値があります。ブランディングに課題感をお持ちの場合はテイ・デイ・エスにご相談ください。
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