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TOPP流 プロトタイプドリブンでデザインを進める方法

2019.01.21 更新

#UX/UI#グローバル

目次

    プロトタイプ需要の加速的な増加

    近年、沢山のテクノロジーがサービスやプロダクトとしてエコシステムに組み込まれ、人々の生活をより豊かに、便利なものにしています。

    そしてテクノロジーの進化に伴いデザイナーに求められる仕事も変化してきています。データやIoT、音声入力など、動的に変化するマテリアルを扱い、エクスペリエンスをスピーディーに生み出すこともデザイナーの仕事になってきました。

    それにより実現性や提供できる価値について早い段階で検証する必要性が生じ、以前に比べプロトタイピングの需要が加速的に増加しています。

    また従来のウォーターフロー型開発プロセスでは、意思決定のプロセスが複雑化し、メンバー間のコミュニケーションがうまくいかないことや、余計な手戻りが発生してしまうことも多いのではないでしょうか。

    そこで、今回の記事ではスウェーデンのデザイン・イノベーションファームであるTOPPが行っている、プロトタイプドリブンでデザインを進める方法をご紹介します。

     

    海外デザインファーム紹介 #2 TOPPについてはこちら

     

    Noodlを活用し、プロトタイプドリブンなワークフローを実現する3つのメリット

    Noodl(ヌードル)は、TOPPが開発したラピッドプロトタイピングツールで、現在1万人のユーザーがいます。モバイルアプリからIoT製品、車のダッシュボードまで幅広く対応でき、UI設計はもちろん直感的なインタフェースでダイナミックデータやAPI との連携・IoT・マルチデバイスのインタラクションを実装できるのが特徴です。リアルなデータを使ったHi-Fiな(忠実性の高い)実働プロトタイプを素早く制作できます。

     

    • デザインフェーズで「機能」を組み込める

      先述の通り、いまやデザイン素材は目に見えるものだけではありません。例えば外部APIやデータベース・センサーから得られるデータや、ボイスコントロール・顔認証を用いたインタラクションなど、インタンジブル(無形)なマテリアルも今やデザイン素材です。

      こうした「機能的」な部分は、高い確率でサービス価値の大部分を占めるにもかかわらず、デザインフェーズにおいては想像で補って進めることもしばしばあります。
      しかし初期段階でエンジニアリングとデザインを同時に進めるのは非常に大変です。ロスも多く、あまり現実的ではないと考える方が多いのも頷けます。

      しかし、Noodlを使用するとこうした機能的な部分の実装をプロトタイプのレベルで簡単に行うことができ、UI・UX設計と機能の検証を同時に進めることが可能になるのです。



      NoodlではCSVやJSON形式の静的なデータとまたは動的なデータを簡単に扱えるので、外部APIをNoodlと繋いだデータの取得や、ボイスコントロールなどのインタフェースを組み込むことが可能です。

      「デザインカンプの通り実装したら、意外と文字数が多くて使いにくい!」「思ったように動かない!」ということが避けられるようになるのです。
      データを組み込んでデザインを進めることで、UI設計の段階で実際のデータを使ったレイアウト設計やセンサーの数値をどのようにビジュアライズすればわかりやすいかなどを考えることができます。

       

    • メンバー間のコミュニケーションがシームレスになる

      プロジェクトメンバーには様々な専門領域を持つ人が参画します。何かを作り上げることは意思決定の連続でもありますが、バックグラウンドが異なる人同士でコミュニケーションを取ることは難しく、苦労を感じている方も多いはずです。

      例えば、このことはエンジニアとデザイナー間のコミュニケーションに顕著です。
      実現性やコスト、ユーザー目線における最適な設定はしばしばコンフリクトを起こします。
      コードを見ながらデザインの話をしたり、デザインカンプを見ながら技術的な話をしたりするのは、お互い自分の専門領域の知識を相手に求めることとなり、かなりハードルが高いといえます。

      こんな時もNoodlは力を発揮します。
      同じツールを使って会話をすれば「なぜ実現が難しいのか」「実現可能かつユーザーフレンドリーな方法は無いか」など、お互いの専門領域を超えて理解し合いながらコミュニケーションをとることが容易になります。

       

    • 実働プロトタイプによる早期の検証ができる

      ユーザー中心設計の重要性が高まる昨今ですが、実際のビジネスシーンにおいては、活かしたい特定の技術がある、サービス提供側に解消したいペインポイントがあるなど、プロジェクトが真にエンドユーザー中心で開始することはあまりないのではないでしょうか。

      そうした中で、実現可能かつユーザーにとって価値のあるものを生み出すことは難しく、企画段階で各ステークホルダーによる意思決定を重ねていくうちに、考えたアイデアが現実から離れてしまったり、またはエンドユーザーにとっての価値が低いものになってしまったりすることもあるかと思います。
      TOPPでは、Think&Do(考え、実行する)をモットーとしており、Noodlで考えたアイデアを常にプロトタイプとして手にとって触れる形にし、検証をしながらプロジェクトを進めています。

      これにより、早期の段階で実現の可否はもちろん、決済権限者への合意を得ることや、ユーザーテストを実施しブラッシュアップしていくことも可能です。

    実際にプロジェクトでNoodlを使用してみて

    TOPPのメンバーと一緒にハッカソンやワークショップを開催しましたが、参加者がTOPPのメソッドを使いプロトタイプとコンセプトの両方を構築・磨き上げていくスピードには毎回驚いています。
    一方で、これらを実行するためには一つの専門性にこだわらず他領域に踏み込み、新たな能力を獲得していくことが重要で、特にデジタルシフトが進む今の時代にはテクノロジー領域の知見はデザイナーであってもある程度必須であると感じました。

    以上が「Noodlを活用しプロトタイプドリブンでデザインを進める方法」です。
    考えたアイデアを形にし検証・改善するサイクルや、プロジェクトに関わるメンバー間のコミュニケーションを改善するヒントになれば幸いです。

    ※この記事はTDSブログへ統合する以前のddpostの記事です。

    ddpost編集部

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