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イベントレポート Hyper Island 3-Days Master Class Digital Acceleration

2019.01.21 更新

#Hyper Island#TDSレポート

dd postsを運営するTDSは2016年より北米・欧州を中心に海外視察を重ね、現在は20社を超えるデザインファームとネットワークを構築しています。そのうちの数社とはパートナーシップ契約を結び、双方の得意分野で協業しながら現在ビジネスに取り組んでいます。

今回は前回ご紹介した1社である、スウェーデンのストックホルムに本校を置く「Hyper Island」とのワークショップ・イベントをご紹介します。

目次

    関連記事:海外デザインファーム紹介#3 Hyper Island 

    3-Days Master Class Digital Acceleration/マスタークラス・デジタル・アクセラレーション

    2018年10月17日(水)〜10月19日(金)都内某所にて。

    4面採光のガラス張りで天井も高く、開放感たっぷりのスペースでいよいよワークショップのスタートです。

    ワークショップの初日は、Hyper Island本校のストックホルムよりCFOのウンベルト氏、Global Head of Tailored Solutionsのクリステル氏がワークショップの視察のために来日されました。
    日本市場への関心の高さが伺えます。

    この社会人向けワークショップはHyper Islandの修士課程(Master Degree)のプログラムを3日間に凝縮した、インテンシブなワークショップです。

    参加者は様々な業界・団体から集まったメンバーで、その職制や役職もバラバラです。中には起業家や投資家といった肩書きをお持ちの方々も!

    プログラムの詳細はアウトラインのみで、事前の告知がありません。教科書を持たない、参加者の属性に合わせたプログラムを開催ごとに組む。こんなところがHyper Islandらしさを表しています。

    講師の紹介

    JONATHAN BRIGGS Co-Founder and Academic Director, Hyper Island ハイパーアイランド創業者の一人 / アカデミックディレクター

    デジタル、組織改革、高度な教育と多岐にわたったThought Leader(ソートリーダー)。
    1996年、組織をデジタルかつグローバルに改変をしたいと考える個人や企業のために、ハイパーアイランドを立ち上げました。

    IKEAやMoët Hennessy、Paul Smith、Unileverなど著名な国際クライアントの戦略パートナーとして、そして革新的な学びの創造者として25年間実績を積み上げ続けてきました。

    また、ジョナサン氏はOTHER mediaとCrimson Sunbirdを立ち上げ、技術、アジリティ、データ、IoTや興味深いソフトウェアのイノベーションを模索しています。Unileverのデジタル諮問委員会にも在籍し、NTUシンガポールのアジアコンシューマー・インサイト研究所のアソシエート・フェローとして勤務しています。過去には、ロンドンのキングストン大学で教鞭を執った経験も持ちます。

    ジョナサン氏は、実験や失敗したプロジェクトのトラブルシューティングを楽しみ、生徒、クライアント、同僚を巻き込む革新的な方法を設計しています。

    3日間のコースアジェンダ


     

    • 1日目: デジタルマインドセット & テクノロジー
      イントロダクション/デジタル・マインドセット/ビジネス・トランスフォーメーション/テッカソン/リフレクション
    • 2日目:カスタマー & サービスデザイン
      リフレクション/ジョブズ・トゥー・ビー・ダン/アイディエーション & プロトタイピング/プレゼンテーション/リフレクション
    • 3日目:アジャイル & アクション
      リフレクション/アジャイル・シンキング/トランスフォーメーション & デジタル・アクション/リフレクション、修了証明書授与

    ワークショップの詳細は次回にてご紹介しますので、本編ではその様子を軽く触れたいと思います。

    Hyper Islandでは「learning-by-doing(実践しながら学ぶ)」ということに重きをおき、リアルなプロジェクトに関わりながら世の中の課題を解決する方法を学びます。

    特徴としては、個人で考え実践することに加え、チームとの共創や共有に焦点を当て、仲間と共にプロジェクトを推進するスキルを身に付けることです。

    通常の授業とは違い、講師たちは「こうしなさい」とは言いません。「Why(なぜ)」「What(なにを)」「How(どうやって)」を徹底的に考えさせます。生徒自身が何を作るかを考え、結果何を作ったのかを見て、そして作ったものを振り返る。この一連のプロセスから学びを得させるスタイルです。

    もちろん生徒たちが迷っていたり、プロジェクトが停滞していたりするときには講師たちがチームに関わりメンタリングします。効率的かつスピードを持った授業が展開されていました。

     

    デジタル・マインドセット

    本ワークショップの冒頭では、デジタルテクノロジーが自分の仕事や生活、ひいては社会がどう変化していくのかを理解し、テクノロジーがもたらす「いい未来」と「悪い未来」を考えます。

    そして、デジタルによって変化を遂げる企業の事例や(例:Amazon, Google Traffic)、自動運転技術の発達で淘汰される職業などを例に、デジタルシフトする社会に対応できるマインドセットをインストールします。

    テッカソン

    その次は実践です。テッカソンのセッションは、Webアプリ、AI、VR、AR、トレンドサーチやロボティクスなどオープンなデータソースやプラットフォームを活用しプロトタイプを作りながらデジタルツールの理解を深め、数時間でサービスやアプリケーションを作り上げるプログラムです。

    ここでは、8つのカードから2つテーマを決めて高速でプロトタイプピングを行います。すでにあるプロトタイピング・ツールを活用することで、比較的容易にデジタルツールにチャレンジすることができます。デジタルツールに触れたことのない受講者もいる中、わずか30分程度でモックアップを作り上げることができるなど、「デジタルは怖くない」と受講者の苦手意識も払拭できるプログラムになっています。

    リフレクション

    Hyper Islandはリフレクションをとても大事にしています。実践した結果のアウトプットの完成度よりも、プログラムを通じて何を学んで、それらをどのように自社に持ち帰り、実践することができるかを繰り返し考えます。

    イベント初日の終わりにはワークショップでメモをとったノートを元に自社へどう持ち帰るか、1日やったことを振り返り、何をそこから学び、感じたのかをチームと共有することに十分な時間を使います。

    そして翌日のワークショップ冒頭にもリフレクションが行われます。ジョナサン氏を始め講師たちと受講者との間には常に「ダイアログ(対話)」が存在し、議論を重ね、やがてはワークショップに参加する全員の意識や視野が広がっていきます。

    3日間のワークショップを通じ、全体の時間20%をリフレクションに使ったと言っても過言ではありません。

    さらなる詳しい内容を知りたい方は、ワークショップに同席いただいた記者の方が後日Webに記事をアップされておりますので、こちらをご覧ください。

    関連記事(外部):デジタル版ハーバード大学 Hyper Island から日本へのメッセージ

    「重要な問題を解決するため常に進捗状況の解明をすること」。このHyper Islandのコンセプトは創立以来変わってはいません。

    バックヤードからのつぶやき

    私は運営側の黒子としてワークショップを見守っていました。

    朝から夕方まで8時間、3日連続で講師も受講者も集中力を切らすことなく高いテンションを保っていました。

    通常、ジョナサン氏はワークショップの構成は変えないそうです。が、今回は受講者たちの熱量を感じ取り、途中でチャレンジしたくなったようで、バックヤードに「準備して欲しいものがある」とオーダーがあり、度々黒子たちは大あわて。

    おかげさまで「Well-Organized!(素晴らしい運営だったよ)」とジョナサン氏にお褒めの言葉をいただきました。これも運営スタッフ全員が力を合わせた結果です。
    3日間を通じ、関係者の皆様ありがとうございました。

    次回は「受講者レポート Hyper Island 3-Days Master Class Digital Acceleration」をご紹介します。

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    ※この記事はTDSブログへ統合する以前のddpostの記事です。

    MIHO.M

    dd posts編集長

    ニューヨーク市のParsons School of Design卒業後、2年間現地のデザインスタジオに勤務。帰国後、IT企業・エンタメ企業などで事業開発、海外マーケティングを担当。2016年、新規事業を立ち上げるべくTDSに参画。獅子座なだけに無類の猫好き。現在、3匹の保護猫と同居中。