パッケージを通じてブランドイメージを発信する
#ブランディング#グラフィックデザイン
スズキ株式会社 さま
パッケージブランディングとして、世界展開されている全てのパッケージデザインをリニューアルするプロジェクト。
各国でデザイントーンを統一させながらローカライズしたパッケージが作成できるように、調査からプロトタイプを用いた検証などまで実施。シンプルで実用的な製品づくりをビジョンに掲げ、パッケージデザインの仕様を開発設計しました。
対応内容 | ブランド表現マネジメント、商品ブランディング |
---|---|
期間 | 初期プロジェクト実施期間:約10ヶ月 デザインシステム強化プロジェクト実施期間:約7ヶ月 |
ご依頼の背景
求められたのは、グローバルに対応したパッケージデザイン
スズキ株式会社様は二輪車、四輪車、特機製品を中心に開発販売を行う会社です。
スズキブランドをより一層浸透させるため、世界12ヵ国、6言語で使用されている全てのパッケージデザインの印象を統一したいとご相談を受けました。
対象となるパッケージは箱・缶・ブリスターなど素材や形状も様々、情報表示の内容や規則性に統一のルールはありませんでした。
デザインに関しても商品や分類ごとにバラバラで、ローカライズの際には、ゼロベースでデザインを作成しており、パッケージの運用について非効率な状況となっておりました。また、デザイン、表記の不統一は製品の模倣品が発生するなど市場にも影響をおよぼしており、一刻も早い対応が求められていました。
解決策
見た目のデザインだけでなく、展開・運用の仕組みをつくる
このプロジェクトではどのように印象の統一を進めていくか、適切なアプローチ方法を考えました。
その結果、素材や大きさ形状も異なる商品群、6つの言語圏で展開されるパッケージを属人的な判断基準や感性によってリニューアルする方法は非現実的と判断しました。携わる人数が多岐にわたる場合、一時的な全体リニューアルを実施しても一過性に終わってしまうと推測されたからです。
このプロジェクトの重要なポイントは、スズキブランドの印象をつくる上で最も重要なデザインの最小要素を突き止めること。それをもとに誰が作成してもスズキらしいデザインとなる指針を構築していくことだと提案しました。
施策
目指したのはブランドイメージが伝わるデザインと、グローバルに展開できるデザインシステムの両立
このプロジェクトにおいて、対象とするユーザーは双方向になると私たちは考えました。製品を買う側であるグローバル各国の消費者・顧客と、製品を届ける側である各国の製品パッケージ開発部門・製造部門・ブランド管理部門です。
消費者・顧客にはブランドイメージが正しく伝わるパッケージデザインの開発を行うことで、現状の紙面から受ける印象の改善を目標にしました。
開発側には現実的に展開運用できるデザインシステムを開発。ブランドイメージを発信できる統一的なパッケージをつくりあげ、属人化されたパッケージ製造の仕組みの改善をするべくプロジェクトを進めていきました。
スズキの「らしさ」を見つけるために、クライアントと共につくり上げるブランディング
開発製造者や品質管理者といったセクションに確認の上、デザインのマネジメントと開発のルールづくりを進めていきました。
システム化を見据えたデザインをマネジメントする際には文字・図形・色彩などのデザインを構成する要素を、それぞれ最小単位に分解して把握する必要があります。そのために、現在使用している大量のパッケージを収集。スズキらしさを細部まで調査・分析しました。
デザインシステムの開発では、デザイン表現、印刷加工といった観点に加えてユーザーからの観点も重要と考えました。製品の印象を最終的に判断するのはユーザーです。今まで築き上げてきた信頼をいかし、新たなスズキの印象を各国で伝えられるよう、プロトタイプ開発やヒートマップ調査などのユーザー検証も実施。スズキらしさが伝わるデザインシステムを目指しました。
成果
10年たっても古く感じない、グローバルに対応したパッケージ展開を実現
スズキ様にもご協力をいただき、各商品ごとに1種で6言語に対応したパッケージデザインが組み上がっていく論理的なデザインシステムを開発設計しました。
一定規則によって組み合わせるだけでデザインの核が構成されるので、デザイン作業における属人性が少なくなっています。
これにより、統一的なパッケージデザインの開発を継続できる運用を実現。ブランドイメージの統一と、模倣品に対する市場でのブランド保護を目的としたトーン&マナーの確立に成功しました。
デザインシステムによって管理されたパッケージデザインは「10年たった今でも古く感じない」とスズキ様からも好評をいただいています。
WEB掲載していない事例も
数多くございます。
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